齋藤縫製株式会社(仮名)様(栃木県)
◆ 業種:縫製業(アパレル縫製) ◆ 体制:従業員約30名(海外から来た技能実習生・障がいのある仲間を含む多様な現場) ◆ 代表:春日様(30代・M&Aで事業を承継・仮名)
※実際の支援事例をもとに、プライバシー保護の観点から社名・人物名は仮名とし、内容を一部再構成しています。
栃木県の、繊維産業がさかんな土地でアパレルの縫製を手がけている会社です。創業から20年以上、この地域でミシンを踏み続けてきました。従業員は約30名。海外から来た技能実習生のスタッフや、障がいのある仲間も、同じ現場で一緒にものづくりをしています。
私自身は数年前にM&A(第三者承継)で事業を引き継いだ、買い手側の新しい代表です。前の経営者は70代で、長年ご自身の腕と人柄でこの工場を守ってこられた方でした。30代の私がバトンを受け取り、背景も得意なことも一人ひとり違う現場を、どう同じ土台に立ってもらうか。それがうちの強みであり、課題でもありました。
会社を買い取ったあと、まず引っかかったのは「人と労務まわりが実際どうなっているのか、自分は知らない」という事実でした。財務の数字は見ています。でも、その奥が見えていない。そこで専門家派遣の制度を使い相談をお願いしました。
そこでIBSさんと出会い「買収先の労務リスクを調べる「労務DD(労務デューデリジェンス)」をすすめられたことが、すべての起点です。
労務DD(デューデリジェンス)で見えてきたのは、引き継いだ就業規則が約20年前、従業員が10名を超えたときに作られたまま、ほとんど手つかずだったことでした。時代も働く人の顔ぶれも変わっているのに、ルールの土台だけが20年前で止まっていた。
DDの結果、リスクの所在に優先順位をつけて手当てするうち、「これは全面的に作り直すしかない、しかも最初に取り組む必要がある」という結論に自然とたどり着きました。
承継を機に、人と組織の面まで含めて一度きれいにしたい。銀行との橋渡しを恒常的に行い、事業承継・引継ぎ支援センターともやり取りもある社労士事務所は他にはない。
M&Aと労務の両面に強いと評判のIBSさんにそのまま相談しました。
正直、ほとんど比較していません。
私が探していたのは「就業規則を安く作る先生」ではなく、「承継した会社を、人と労務の面からまるごと診て整えてくれる相手」でした。承継と労務をひとつながりで任せられる相手を探していた私には、IBSさんがちょうど合っていたんです。
決め手は、入口が労務DDだったことです。
いきなり「規則を作りましょう」ではなく、「まず何があるか調べましょう」から入ってくれた。中身を診ないまま新しいルールだけ被せても、前の放置と本質的には変わりませんから。
まず可視化、それから整備。その順番を当たり前のように示してくれたことで、腹が決まりました。料金も料金表で明朗で、物入りな承継直後に金額の見当がつくのは、想像以上に心強いものでした。
ちなみに設備投資の助成金の活用も提案を受け、「就業規則の整備も費目の対象にできますよ」とあわせてご案内をいただきました。
設備投資も就業規則の整備も、会社の負担は1/4になり、会社のルールの整備だけでなく、M&Aと共にいつか行いたいと思っていた設備投資も行うことができました。
まだ数年先だと思っていた理想の生産体制の構築が、未来ではなくすぐに実施できたことは「喜びや感動」と共に、大きな驚きがあったの覚えています。
あの時の気持ちは導入された最新のミシンを見るたびに思い出しますが、現在振り返っても感謝の念の一言に尽きます。
進め方には、はっきりとした「順番」がありました。まず労務DDでリスクの全体像をつかみ、優先順位をつける。そのうえで土台である就業規則の全面見直し、IBSさんのいう「防衛就規(会社を守る就業規則)」に着手する、という流れです。
驚いたのは、作成のスピードと質の両立でした。就業規則作成専用のクラウドサービス「KiteRa(キテラ)」を使い、従来は逐条解説の面談で20時間ほどかかっていたという作業が、画面を一緒に見ながら約10時間の面談で、遜色のない満足度のものに仕上がったんです。
経営者は時間がない。それが半分で済んだのは、率直に助かりました。
普段の相談は、Chatworkで日々完結しています。
多様なスタッフがいると前例のない疑問も次々に出ますが、その都度すぐ聞けて、すぐ返ってくる。週2回のChatwork配信や月刊「IBS通信」で、聞く前に最新情報が届くのも心強い。
守りを固めながら、少なくとも私自身は、以前より安心して本業に向き合えるようになりました。
いちばん大きかったのは、就業規則の前文に、会社の経営理念やビジョンを入れてもらえたことです。IBSさんは「各条文の根拠=根底の考え方を、従業員の皆様にもインストールする」という言い方をされていました。
根拠を示さず縛る規定だけを並べると、「なぜ縛られるのか」が分からず、不満の種になってしまう。だから、まず会社の思いを置くのだ、と。
これは、うちのように多様なメンバーが働く現場ではとりわけ大きな意味を持ちました。
背景も感覚もバラバラな一人ひとりが、「この会社は何を大切にしているのか」を前文で共有できる。ルールを押しつけられた縛りではなく、自分たちの土台として受け取ってもらえたことが、買い手の私が信頼をゼロから築くうえで、何より大きかったです。
加えて、説明会の場で不足書類を一括で整えられたのも実務的に助かりました。秘密保持の誓約書も変更の同意書も、その場で全員に記入してもらえる。個別に集めて回る手間がなく、確実でラクでした。
「会社を守る就業規則」と聞くと、防衛力をガチガチに高めるものだと想像しますよね。でもIBSさんは違いました。
防衛力をただ高めるだけの規則は、いざというとき会社自身を締め付け、自分で作った厳しいルールで自分の首を絞めかねない。だからIBSさんが勧める防衛力は「中の上」なんです。
その思想を象徴していたのが、従業員説明会でした。
規則の力だけでコントロールするのではなく、説明を尽くして「ルールはしっかり守ろう」という気持ちを持ってもらう。そして「これだけしっかり整えてくれる社労士がついているなら、いい加減なことはできないし、揉めごとにすること自体に意味がない」と感じてもらう。そもそも争おうという気持ち自体をなくしてもらうのが狙いだ、という考え方です。
もちろん、何が起きても揉めないと保証できるものではありません。狙いは、「いごとを生まない関係づくり」です。
会社と従業員の、どちらか一方だけを守るのではない。両方を守るために、あえて防衛力を一段抑える。
一見遠回りに見えるこのバランス感覚が、IBSさんの「他とは違う」ところだと感じています。
就業規則の説明会の日のことを、いまでも覚えています。
規則の説明会だったにもかかわらず、経営理念からビジョンまで盛り込まれた説明で会社の思いが伝わりきり、M&Aで不安を抱えていたスタッフが「この先も安心して働ける」と思ってくれた。
最後は大きな拍手に包まれて終わったんです。
就業規則づくりは、会社の思いを伝える場にもなるのだと知りました。
会社を引き継いだら、私はまず「承継したら、その後にこそ労務DDを」とお伝えしたいです。数字だけでは見えない土台が、必ずそこにあります。
そこを整え直すことで、引き継いだ会社は本当の意味で「自分たちの会社」になっていく。多様な人が働く現場ほど、全員が立てる共通の土台が要りますから。
もし承継や就業規則づくりで迷っている方がいたら、一人で抱え込む前に、一度プロに相談してみてください。IBSグループは初回相談を無料で受けてくれます。
気軽に声をかけてみるのがいいと思います。同じ立場で悩んだ者として、その一歩を後押しできたら嬉しいです。